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いやいやおくすり
「おくすりいやよぉ~……」
そう言って息子がぐずる。
ぐずっているのは熱があって体がだるいせいもあるだろう。
けれど、どんな理由であれ、こんなに熱があるからには薬を飲んでもらわないと困る。
錠剤を口に入れようとすると、口をギュッと閉じて開けようとしない。
どうしたものかと思っていると、毎日飲んでいるビタミン剤が目に入った。
そのビタミン剤を手に取って息子に見せて訊ねる。
「それじゃあ、お母さんもお薬飲むから、お母さんが飲んだら一緒に飲める?」
すると息子は渋々ながらに頷いた。
私がビタミン剤を二錠飲んでみせると、息子は自分で飲み薬を一錠出して飲んだ。
苦いと言ってまたぐずったけれど、がんばったねといっぱい褒めた。
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