突然の告白

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突然の告白

「結婚詐欺!? どうして?」  それに触れては駄目な気もしたが、思わず訊いてしまった。 「別に心配しないで。皆、苦労しているのは同じでしょう? これはあたしに課せられた試練だよ! ……まあ、彼のこと、愛していたからちょっとは凹んだけどね」  何故、こんなに和菜は強いのだろう。どうして、後悔や苦難をポジティブに捉えて、前進することが出来るのだろうか。私には、絶対に無理だ。  あれ、どうしてそう思えるのだっけ。そよ風は、私のワンピースをそっと持ち上げ、静かに靡かせると、その風に乗って、草や土の匂いが運ばれてきた。  気が付けば私は、現実と夢の中を彷徨っていたようで。目覚まし時計の代わりは、関の声だった。 「おーい、三葉ちゃん、和菜ちゃん! タイムカプセル、もう少しで掘り出せるぞー!」  重かった瞼が、一気に軽くなる。私はすぐに目を覚ますと、和菜(私と一緒にぼーっとしていた)と共に、一メートルくらい、深く広く掘り下げられた穴を覗き込む。  そこには、目が眩むほどに鮮明な銀色な円柱状の容器が、土に埋もれていた。全員でお年玉や貯金を掻き集めて購入した、タイムカプセルが。  私と和菜、それに関が「ちゃんとここに埋まっていたね」「俺等、めっちゃ頑張ったんだからなー?」と安堵の表情を浮かべたり自慢したりする中、星流だけが浮かない顔をしている。 「星流、どうしたの?」  彼の瞳は、タイムカプセルを見つめながら、それでも遠くの何かを探しているみたいだった。 「過去の自分が、怖いんです」 「え?」  そんなことない。過去の星流は、全然怖い人物ではなかった。……授業中は居眠りばっかりしていたけれど、成績は三年間、学年一位に鎮座していた。時々摩訶不思議な行動をすることもあったが、それ以上に素敵だった。 「困り事なら、話してみろよ。俺等、中学三年間を乗り切った中だろう?」  そんな関の優しさを合図に、星流の目からは、あたかもダムが決壊したように涙が溢れて、止まらなくなる。星流の嗚咽が空き地に流れる間、日照りが一層強まった気がした。 「自分、高校でいじめられていたんです」
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