プロローグ

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プロローグ

『そうだ、卒業式へ行こう』  言い出しっぺは中学生の頃の親友、(せき)だった。十年近くスマホメールのやり取りすら無かった私達四人。唐突にメッセージが届いたと思えば、卒業式? 私は即座に文章をフリック入力して、送信した。 『卒業式って?』 『おっ、三葉(みつば)ちゃん久し振り! 元気にしとったー?』 『質問に答えろやあ』 『ごめんごめん。俺等(おれら)さ、中学の卒業式で色々と約束したよね? 覚えてる?』  約束、の二文字で、私の脳内で散らばっていた記憶の破片がカチリ、カチリとパズルのように繋がり始めた。もう少しで思い出せる、というところで、同じく中学時代の親友、星流(せいりゅう)和菜(かな)が会話に入ってきた。 『三葉さんと関君、こんにちは。自分は覚えていますよ』 『和菜も来たよ、全員集合だー!』 『星流君に和菜ちゃん、やっほー! 話戻るな。中学校卒業式の日、空き地にタイムカプセル埋めたの、覚えてるか?』  嗚呼、そうだった。卒業式の一ヶ月前、和菜が「未来に青春と想い出を届けよう」ってタイムカプセルを埋めることを提案してきて。関の祖父が空き地を所有しているから、と卒業式終了後にそこへ集合して。  タイムカプセルに思い思いの宝物を入れて、大人になったら取り出そうねー、なんて子供らしい曖昧な約束をしたんだ。 『タイムカプセルを開く。それは、想い出を手に取るのと共に、あの頃に戻るのと同じ意味なのかなーって。だから卒業式へ行こう、四人で』
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