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第1話 一応一張羅で登場したつもりなんですが……
夏の終わり、まだ紅葉には早い、秋の初め。
都内某所。
とある超有名ホテルに、レイラさんはいた。
新田玲蘭。
もうすぐ18歳。
特別お金持ちでもなく、共働きの両親は口喧嘩くらいはするけどまあまあ仲も良く、兄弟姉妹がいないのがちょっと不満、という程度の、特別不幸なこともなく、そこそこの幸せを享受して満足している、平々凡々な女子高生。
容姿も頭脳もまあ標準並で、特別悪くもないけど、眼を引くわけでもない……いわゆる十人並み、というやつ。
玲蘭なんてキラキラした名前、何で親は付けたんだろう? と時々思い悩む……逆に悩みの種はそのくらいしかない。
基本的にマイナス感情が長続きしない、おめでたい……もとい、ポジティブな性格である。
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