第2話 こんな展開で恋に墜ちるとかあり得ないんだけど

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 ホテルの従業員に連れられて、業務用エレベーターを使って案内された部屋に入っても、ひたすら後悔の念に苛まれていて。 「お嬢様、お待たせいたしました」  突然そんなふうに話しかけられて、気が付くと。  目の前には、綺麗なお姉さんが立っていた。  よくよく見渡せば。  その他にも数名の女性が控えていて。  さらに見渡せば、とんでもなく高級な調度(インテリア)に、自分が囲まれていたことに気付く。 「え、あの……」 「お支度を一度解かせていだいてもよろしゅうございますか? お髪も……お化粧もお直しさせていただいた方がよろしいかと」  目一杯へりくだった物言いに、レイラさん、こそばゆくなる。 「え、あの、そんな」  あたふたするレイラさんを尻目に、どんどん着物を脱がせていく女性たち。  あっという間に、髪も解かされ、メイクも落とされる。 「え? え?」  とか何とか呻いているうちに、レイラさん、再び振袖姿になる。
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