第2話 こんな展開で恋に墜ちるとかあり得ないんだけど

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「お時間が余りないご様子ですので、お髪は結い上げず、垂らしたままですが、申し訳ございません」 (うそ……)  どこから持ってきたのか、大きな姿見が引いて来られ、レイラさんの前に置かれる。  鏡の中にいるのは、今までレイラさんが見たこともないような、奥ゆかしくも愛らしい、清楚な女の子だった。 「これ……私?」 「へぇ、見違えたな」  突然背後から聞こえた男性の声に振り向くレイラさん。  先ほどの男性が、感心したように頷いていた。 「あの……」  改めて見ると。  実はスゴいカッコいい、って言うか、美形?  栗色がかったサラサラの髪。  濃い睫毛に縁取られた、濡れたように光る目元。  端正、って言葉が、見事に当てはまる、顔立ち。  繊細で女っぽくなりそうなのを、意志の強そうな眼の光が引き締めている。
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