アモーレ！ 〜勘違い王子と灰かぶり姫〜

第2話 こんな展開で恋に墜ちるとかあり得ないんだけど

「うん、やっぱり君には古典柄の方が似合うね。メイクも髪も、こっちの方がいい」

「割合身長がございますけど、優しいお顔立ちでいらっしゃいますから。さすがは河相さまのお見立てですわ」

「急で悪かったね。全て買取でいいから」

「いえ、お着物の方はレンタル用に仕立てたものでございますから……」

「仙桜(せんおう)の総疋田絞(ひきたしぼ)りとは、中々の品揃えだね」

　……レイラさんが、今着ているのは、貴子姉さんに貰った、黒地の振袖ではなく、白を基調とした、豪華な総絞りの振袖だった。

　センオウノ、ソウヒキタシボリ。

　それがどういう意味なのか、着物にあまり詳しくないレイラさんには理解不能だったけど。

　とにかく、すっごく高級なんだと言うことは、何となく分かった。