第2話 こんな展開で恋に墜ちるとかあり得ないんだけど

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 全く締め付け感がないわけではないんだけど、さっきの着物に比べたら全然楽チン。  足回りも多少裾がまとわりつくけど、紐で足元を結ばれているような不便さはなかった。 (どうして?)  洋服と違って、サイズなんてそんなに違わないはずなのに。 (何でこんなに楽なの?)  そして、ギリギリ間に合い、詳しい話も出来ないまま挙式に参列したレイラさん。  物言いたげにチラチラ見られて、思わず縮こまりそうになったんだけど。 (う……苦しい)  背中を丸めると、突然胸やお腹が圧迫されて、思わず背筋を伸ばす、と。  嘘のように楽になる。  結果、挙式の間も、周りの視線は無視して、ピン、と背筋を伸ばしていることになった。  神式での挙式の後は、親族紹介で、お互いの親族を紹介する時間があったりする。  前もって、それぞれの家長が家族を紹介すると言われていたので。  レイラさんちは、お父さんが自己紹介した後に、お母さんとレイラさんを紹介することになっていた。  お父さんのお兄さんち(つまり叔父さんち)が挨拶して、レイラさんのお父さんが立ち上がる。  続けて、お母さんとレイラさんが立ち上がる。
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