第3話 それは貶されているのと紙一重の誉め言葉なのでは

3/8
前へ
/34ページ
次へ
「ご安心下さいませ。当方のレンタル衣装は、全てアフターケアのご心配はご無用でございます」 「で、でも、何かこぼしたら……」 「全て防水防染加工を施してございますので、染みなどもご心配無用です」 「で、でも、焦げたり……」 「全館禁煙でごさいます」 「キャンドルサービスとか……」 「……少々お待ちください……」  サロンのお姉さん、一度奥に下がり。 「お待たせいたしました。……一応、他の皆様には他言無用に願います。新田様のご披露宴では、キャンドルサービスのお申し込みはございません」 「え?」 「かわりにシャンパンタワーをお申し込みいただいております。こちらは火を使いませんので、万が一にも焦げる心配はないかと……もちろん、キャンドルサービスでも、皆様の安全には最大限配慮してごさいますが」 「そう、ですか……」  とりあえず一安心のレイラさん、だけど。  あれ?  そもそも、この振袖、レイラさんがレンタルしたわけではない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加