アモーレ！ 〜勘違い王子と灰かぶり姫〜

第3話 それは貶されているのと紙一重の誉め言葉なのでは

　身体中痛い……。

　肩から背中から腰から……そこらじゅう凝っている。

(き、筋肉痛!?)

　一日中背筋を伸ばしていたから？　普段どれだけ姿勢が悪いんだ！　とセルフツッコミして、ますます打ちのめされ。

　でも、まさか筋肉痛で休みますとも言えない。
　それも、着物を着て筋肉痛なんて、恥ずかしくて。

　仕方がないから、体に鞭打って何とか登校し、無事に一日は過ぎて行った。

(あー、今日は体育がなくてホント良かったよー！)

　なんてほっとしながら帰路につき。

　一応受験生なレイラさん、たいてい放課後友達と図書館で勉強したりもしてるけど、今日はキャンセルした。
　なので、いつもより早い時間に家に到着した、のだけど。

「あれ？」

　家の前に、ここら辺では滅多に見かけない大きな黒塗りの自動車が停まっていた。