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「ま、元々政略結婚だし、上手く行かなくて当たり前だったのよ……」
「せ、政略結婚!?」
「あ、知らなかったんだ? パパの会社、倒産寸前でさ、援助してもらう代わりに、結婚する……って、まあよくある話」
「そんな……」
「まあ、パパの会社には叔父さん達も保証人なりで関わっているからね。一族郎党の命運を賭けて人身御供になったつもりだったんだけど……さすがに年頃の娘には聞かせられなかったのかもね」
まさか、そんな裏のある結婚だったとは……。
何にも知らないで、わーい結婚式だー! と浮かれていたのが恥ずかしいやら申し訳ないやらで、レイラさん、思わずうつむいてしまう。
「やあね、そんな顔しないでよ。結局は結婚しないんだし」
「やっぱり、貴子姉ちゃん、ヤダったんでしょ?だから逃げてきたんでしょ? ……あ、まさかあのロールスロイスは追っ手の!?」
「追っ手……って、映画やドラマじゃあるまいし」
キラキラした目で問いかけるレイラさんに、苦笑する貴子さん。
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