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「まあ、全く違うとも言えないけどね……あのね、逃げ出したのは、私じゃなくて、あっち、旦那さんの方」
「なんで! だってお金にモノを言わせて貴子姉ちゃんに結婚を迫ったんでしょう? その相手がなんで逃げるの!?」
「レイラ、あんたテレビの観すぎー! そこまで悪どくないわよー。だいたい、この話勧めてきたの、向こうの親とか親戚連中だし。……だったのよ」
「え?」
「ゲイ、だったの、旦那になるはずだった人」
「!」
「会ってみたらイケメンだし御曹司だし紳士的だし、まあ悪くない話だと思っていたのよね、実際。それが、昨日の晩……初めての夜ってヤツね」
お互いちょっと顔を赤らめて、軽く目を泳がせて。
「……二人きりになって、まあ、何となく、そろそろって時に『やっぱりダメだ! ゴメン! 僕、女の人ダメなんです!』って、叫びだして……ホテルの部屋を飛び出したっきり……朝まで帰って来なかったのよ」
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