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そ、それは……何と言うか……どんな顔したらいいのか分からず、ますます目を反らすレイラさん。
で、ちょっと、引っ掛かる。
(あれ? でも、貴子姉ちゃんって、確か……)
「で、朝まで寝ないで待ってて、空港行く時間になっても姿を見せないから、仕方なく、あっちの家に連絡したら……ちゃっかり帰っているじゃない!」
「……それで?」
相づちに困って、とりあえず先を促すしかないレイラさん。
「おまけに向こうの親が『どうして押し倒してでも既成事実を作ってくれなかったんだ』ですって! そんな悪徳代官みたいなこと出来るわけないじゃない!」
「た、貴子姉ちゃん、声が大き……」
「あ、ゴメンゴメン……で、結婚は白紙よ。あっちも弱味があるから、結納金返さなくていいし、費用も丸々負担してくれるって言うんだけど……ただ、会社の問題が、ね」
「なんで? 向こうが悪いんだから、援助してくれてもいいじゃない?」
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