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第2話 こんな展開で恋に墜ちるとかあり得ないんだけど
「スミマセン! ちょっとパニくってて! 決して悪気はなかったんです!」
ホテル中に、は、大げさとして。
高らかに響き渡ったレイラさんの悲鳴を聞き付けたホテルの従業員が駆け付けた現場には。
乱れた襟や裾をかき合わせながら、着崩れしまくった振袖姿の女の子がペコペコ頭を下げていた。
その前には、難しい顔して腕をくんでいる、若い男性がひとり。
「冗談じゃないよ! 苦しがっているから、助けただけで痴漢呼ばわりされたんじゃ堪んないね!」
「ホントにスミマセン!」
(苦しがっていたから、帯を緩めてくれていただけなのに……叩こうとまでしちゃって……)
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