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「あーあ。お互いAIチップがあったら、テレパシーで分かり合えたのになぁ…」
「それは残念だったな。
死刑囚で剥奪されたお前と、ハッカーにとって不利なもんを付けない私とでは相性合わないってことだな」
まあそれのお陰で、俺達はAIゾンビにならずに済んだってことだがね。
「響太。この車をハッキングした。
さっさとここから逃げるぞ」
ゾンビ集団がこっちに向かってきてる、と言いながらチョコは運転席へと向かう。
「あいよー♪」
俺は明るくチョコの言うことに従う。
あー、なんてハラハラする世界なんだろう。
人に直接手を下すことが御法度なこの時代に、AIバグという俺にとって素晴らしいギフトが舞い落ちてくれた。
神がいるなら感謝の膝蹴りを送ってやりたいぜ。
「響太、たびたびサイコな笑みを浮かべるのはよしてくれ。身の危険しか感じない」
チョコちゃんは隣にいる俺に不快そうに注意をしてきた。
心の中では、きっとこの子も楽しんでるに違いない。
あー神ぃ。
そしてAIなる者達よ。
果たして俺達人類を根絶やしにすることはできるかなぁ。
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