ゴールインのその先へ

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ゴールインのその先へ

 ふわりと海風がシフォンのヴェールを揺らす。  暑い中でもからりとした風は、初めて会ったときのことを思い出させて、そのときの想い出も運んでくるようだった。 「おめでとう!」 「おめでとう!」  たくさんの声と拍手が果歩と翔にかけられる。  純白のウエディングドレスを身につけて、シルバーのタキシードできりりとした格好の翔と腕を組んで、ゆっくり歩いていく果歩。  鮮やかな色合いのフラワーシャワーが、二人に優しく降り注いだ。  約半年後。秋。  二人は予定通り、ハワイで式を挙げた。  数日前からハワイに渡って、準備を進めて、今日がいよいよそのとき。  明るい日差しの中、高い天井の教会で式を挙げた。  そのあと外のチャペルへ向かって、その道のりで海風とフラワーシャワーを浴びている。  フラワーシャワーはパープルのブーゲンビリアを選んだ。  二人で初めて過ごした日に、翔が選んでくれた色。  ブーゲンビリアの花言葉は『あなたしか見えない』。  そして紫色は『永遠の愛』。  あのとき翔がそこまで知って、同じ色のワンピースを選んでくれたのかは聞かなかった。  でも今、現実になったのだから、あのワンピースは二人のことを永遠に結び付けてくれる想い出にもなってくれるだろう。
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