甘いおくすり

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「なっ…」 「これマキシマイザーの新色なんですけどー」 ドアップの唇と甘い香りに顔が熱くなった。 「あれ?瑛太くん、顔赤くない?」 頬に真美先輩の手が触れた。 「ほら、ちょっと熱あるよ‼︎」 「…」 洗いたての先輩の手は冷んやりとしていた。この先輩は数分前の自分の行動を記憶していないのだろうかと(いささ)か不安になる。 「水、買ってくるから待ってて‼︎私風邪薬持ってるから」 そう言って、自販機との往復を俺の為に全力疾走してくれた。 「薬、自分のあるんで…」 手の平に乗せた白い粒を2つ見せて、それを一気に水で流し込んだ。 「体調悪くなったらすぐに言ってよ?」 「はい」 あぁ、やっぱり好きだなぁ…なんて思って笑いそうになる。
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