甘いおくすり

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「何?吐きそう?」 「いや、大丈夫っス」 デスクの引き出し奥にしまい込んだプラスチック容器。僅かに残ったブドウ糖90%配合の白い粒がカランと音を立てた。 風邪じゃないのに風邪薬を飲むのは流石に避けたかった俺は、密かに常備しているラムネを飲んだのだった。 「…水、ありがとうございました。今度お礼にご飯奢ります」 「え?いや、いいよ。百円くれれば」 「…」 「待って‼︎嘘嘘、冗談だって。百円とかいらないからね」 先輩なりの渾身の冗談が滑って大慌てする姿もかわいい。
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