1 セミ(2023年7月30日)

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1 セミ(2023年7月30日)

 35度越えの晴天が連日続く。  暑い。暑すぎる。  漫画喫茶でソフトクリームを食べようとしたら、機械からミルクの雫しか出てこなかった。世間はどれだけアイスを消費するのか。  許すまじ、異常気象!  今日はとうとうセミの声が聞こえた。  セミと言えば、僕には変わった思い出がある。あれはマンション住まいをしていた頃だった。  2階の通路でセミが仰向けになっているのを発見した。  横にどけようと掴むと、ジジっと羽を動かす。  生きていたのかと、ひっくり返して窓から解放した。セミは勢いよく空へ舞い上がっていく。  良いことをしたと思った刹那。  鳥がどこからか凄まじい速度で飛んできて、僕がせっかく救った命を口にくわえて去っていった。  唖然とした。  助けたセミは大自然にもどって平和に暮らすかと思いきや、大自然の掟によって食べられてしまったのだ。  何かの誤りで僕が死後に地獄に行ったならば、あのセミは僕を『蜘蛛の糸』のように助けるだろうか。僕の善意に感謝して。  それとも、よけいなことをしやがってと天空からオシッコをとばしてくるのか。  たぶん後者だろうなあ……悪意なかったんだけど。  なるべく真っ当に生きて、地獄にはいかないようにしようと思う。  次回はアイルランド行きの飛行機でお酒を飲んでたら、気を失った話でも書こうかな。 bf37f6d7-14f7-4fbf-af86-a9f0ff6ba54f
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