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15 ギターを弾くのをあきらめた話(11月11日)
【ラジオ用台本】
うたかたの、日々のあぶくラジオ―!
どうも千葉県在住、趣味は『洋楽を雰囲気で歌う』こと。うたかたです。
子供が赤ちゃんだった時。ぎゃん泣きはこれで乗り切りました。
Beatlesの『Let it be』を「レリピー、レリピー。ほにゃほにゃ~ほにゃ~♪」みたいに歌って。左手で抱えた赤ん坊をギターに見立てて、右手でお腹を搔き鳴らす。
娘は「きゃっきゃっ」と笑っていたし、自分も寝不足でしんどい時を楽しく過ごせていたなあ。辛い時を乗り切らせてくれる音楽の力ってすごいよね。
そう。ギターと言えば。
実は僕、中学のころギタリストに憧れていたんだ。しかも普通のギタリストじゃない。ハードロック。
皆、長い髪を振り乱して物凄いスピードでギターを掻き鳴らす男を、想像したでしょう?
そのとおり! ずばりそれになりたかった。バンドの編成としては【女性みたいな高音のボーカル】、【16ビートの高速ドラム】、【腹に響く戦車のようなベース】。そして、【切なくも美しい旋律のツインギター】!
こいつが最高のバンドだと思ってた。
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《 CM 》
千葉の名物。茹でて良し、炒って良し。お酒のお供に大量にどうぞ、落花生。
この番組は世界一の落花生販売数を誇る、南京豆商店の提供でお送りします。
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さて、格好いいギターソロに憧れた僕は、秋葉原でエレキギターを買ったんだ。だけど、すぐに弾くのを諦めることになった。ちょうどFコードを弾けるようになったころ。
実は僕、金属アレルギーだったんだよ。
指に水ぶくれができちゃって(笑)なんじゃ、こりゃああぁ、と。
皮膚科にいったら、アレルギー診断されて。液体窒素でじゅうじゅう焼かれた指が傷んだ。ギタリストを諦めた悲しみもあって、その夜は枕を濡らしたよ。
でも変わらず、ハードロックは好きだった。日本のバンドだとビジュアル系が好きで、XJAPANは衝撃だったな。
活動停止になってからは、ギタリストのhideさんのソロ活動を追いかけていた。
宇宙人のようなピンクの髪に、ぴっちりとした赤いジャケット。愛用の黄色いギターには、小さな桃色のハートがたくさん描かれていて。いたずらっ子みたいな笑顔に心をつかまれた。
飽きがこない声で、ギターソロはおもちゃ箱のように愉快。
歌詞も素晴らしい。僕は拙い物書きだから、hideさんの歌詞の引き出しの多さにびっくりしたもんさ。
例えば『POSE』という曲では、全てのものはポーズだし意味がないんじゃないかと歌う。『MISERY』では、不幸を悲しむだけじゃなくて受けいれてみよう、と歌っている。
特に後者は僕に、物事ってコインみたいに暗い裏側だけではない。ポジティブな表面もあるって教えてくれた。
恋人に振られて悲しくても、もしかしたら彼女が運命の人じゃなかっただけかもしれない。仕事で失敗しても、その後悔で次回から上手くできるのかもしれない。
だから、完全に絶望する出来事なんてないって思うんだ。
それでは1曲行きましょう。hideで『MISERY』。
ーー曲が終了する。
お仕舞に占いのコーナー。
今日、一番運がいいのはおうし座のあなただそう。ラッキー扇風機は弱風ですって。
時間となりました。
それではみなさんまた来週👋Have a nice weekend!
お相手はうたかたでした。
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