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18 仏を作って魂をいれる(12月2日)
師走になりましたねー。
昔の家は年末にお経をあげてもらうので、僧侶がせわしく走る。なので師走とよばれたとか。うろ覚えですが。
僕も業務多忙になってきました。そして、忙しいと仕事や日常生活に‶ミス”が入りこむ。
先日、友人達との飲み会に行ったとき。
待ち合わせに30分早く着いたので、時間つぶしでファーストフード店に入りました。店に入ったらレジには人が並び、商品のできあがりを待つ人もいて、店員さんは忙しそう。
ーーこの時点で嫌な予感はしていたのです。
テーブルに座って、携帯電話のアプリで『ホットレモンティー』を注文。エブリスタを読んで待つこと15分。
私のもとに、コーヒーフレッシュのついた『カフェオレ』が運ばれてきました。
突っ込むポイントが複数あります。
①「注文した商品とちゃうねん!」
②「そうそう、カフェオレにフレッシュを入れて。ミルク感が増し増しでおいし・・・ってワイの頼んだのはレモンティーや」
しかしテーブルを去って注文の殺到する地獄レジへ、糸に引っ張られるヨーヨーのように戻る店員さん。その切ない後ろ姿に、僕は声をかけられませんでした。作り直しになったら大変だろう。
黙って熱いカフェオレをすすりました。
このように、人は心に余裕が無いと物をつくっても、魂をこめられないのでございます。
逆にこれは魂がこもってるぜ! と心が打たれたこともある。
僕はHellotalkという携帯アプリを使っています。
これは外国語で日記を書いて、それを母国語にしている人が修正してくれる。逆にこちらは、日本語で書いている人に誤りを教えるという、言語学習アプリです。
ここでカナダ人や、インドの方と友達になったりしました。
ある日、アニメ好きのアメリカ人から僕のところにメッセージが。好きな漫画家さんに日本語で手紙を送りたいから、文面をみてくれとのこと。
これが名文でした。
英語がベースで考えているだろうから、日本語に妙なニュアンスはでるのですが、そんなの関係なく心が伝わる。
一部抜粋すると、
【私と漫画家さんには共通点はありません。産まれた国も違うし、話す言語も異なります。性別ですら別です。でも私はあなたと同様に、あなたの作品を心から愛しています。あの作品を作ってくれたことを本当に感謝しています。ありがとうございます。1万キロ離れたところから、あなたの幸せをずっと願っています】
なんでこんなたどたどしい日本語に感動したのか。魂がこもっていたからでしょう。豊かな語彙や巧みな文章技術より、心からの言葉は胸に響きました。
作家さんで言えば『かがみの孤城』を書かれた辻村深月さん。
この方の講演会を以前、聞いたことがあるのですが作品との向かい方が真摯でした。(講演の話し方も丁寧で、誠実な人柄をかんじた)
だからあの小説には、こんな擦れた中年男性を泣かせる力があるのだな。映画も観たが、それにもおんおん泣かされた。
講演で感心したポイントを書きますが、今日の情報量が多いのでコメントに記入します。
興味がおありの方はそちらをお読みくださいー。
さて、唐突ですが今月でこのエッセイを終了にします。
2023年も終わるので、キリが良いかなと。書きたいことも書き散らかしましたし。
皆さんのペコメがありがたかった。多種多様な文才たちと交流の場がもてて楽しかったです!
なので12月の土曜日、あと4回掲載。お時間がありましたらお付き合いください。
よろしくお願いいたします!
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