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◇プロローグ
「何ジロジロ見てンの?」
古家苺佳はいきなり文句を言い放った目の前の人物の言葉を受け、思わず周囲をぐるりと見回した。
今日は娘の幼稚園の晴れの入園式だ。
早めに着いた為か、まだ他には誰もいない。
いるのは目の前の名札に書いてある大林瑤子と自分だけ。
……ということは、今の台詞は明らかに自分に向けられたもの?
『つい見とれてしまって』と軽く返そうとしたのだが、瑤のほうが
一足速かった。
「私の顔がそんなに物珍しいのかな?」
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