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「今日から君と私は恋人の関係になった訳だが──。今後は他の女に手を出さないと約束して欲しい。私だけを愛してくれると約束してもらえるかい?」
「当たり前だろ?俺はマツリアーナだけを愛する!」
「では、君が宝としているふしだらな婦人画も処分してくれるね?絵の中とはいえ、他の女に目を奪われるのは実に面白くないからね」
「何で婦人画の事をお前が知ってんだ!?」
狼狽するエリオスに、私は不敵に笑んでみせる。
「何年幼馴染をやってると思っているんだい?そんな事くらいお見通しさ」
エリオスは少し躊躇う。まぁ婦人画の女性は魅力的な女性ばかりなのだから、仕方ないと言えば仕方ない。エリオスは根っからのスケベなのだ。しかし彼はキッパリ言い切った。
「分かった!全部燃やす!約束する!」
「そうか?それなら死が二人を別つまで、私は君にこの身と愛を捧げると誓おう」
「おう!」
エリオスの喜ぶ顔を横目で見ながら私は笑む。
いい加減な男だが、いざとなれば命がけで私を守ってくれる。
私は手綱を握るエリオスの腕に、そっと自分の頭を預けるのだった。
おわり
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