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『お疲れ様です─…明日、常務と回る会社のことをもう一度詳しく調べておこうと思って…あとは製品についてまだまだ無知なので…少し勉強を。』
「……仕事熱心ですね、小宮秘書とは違うタイプみたいだ。彼女は残業していても、いつも恋愛のことを考えているような人だったから」
──…また、小宮秘書のお話ですか。
正直、居なくなった人の思い出話なんてされてもつまらないし…聞きたくはない。
小宮秘書のことは私も知っている。引き継ぎ業務で大変お世話になったし…大好きな先輩だ。連絡先も交換してもらって、何かあればいつでも相談してねって…言ってくれるような優しい人だった。いい人だって、分かってる。
でもね、比べられるのは…嫌なんだ。
今は私が進藤常務の秘書だから。いつまでも居なくなった人のことを語られるのはあまり気分のいいものでは無い。
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