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「貴方は、美味しいそうね。私の好みだわ。
この前の男は、女性経験が豊富な男で、最悪だったのよ。
栄養にするなら、純情な可愛い男が良いのよ」
と、今までの優しい声では無く、冷酷で悪魔の響きにも似た言葉が飛び出してきた。
僕は意味不明の言葉に、反射的に身を翻したが、
女の手は僕の腕を掴んでいる。
凄い力だ!女性の力では無い!
「何をするんだ、離してくれ!」
と、叫んだが、腕が熱い。
……何だ!この熱さは?まるで真夏の太陽にジリジリと照らさている様な熱さだ…
「離せ!腕を離せって言っているだろう!」
私は怒りにに任せて彼女に言った
彼女は私の顔を見て微笑んでいるが
その瞳は冷酷で獲物を得た虎の様な鋭い眼光である。
「熱い?大丈夫よ。もうすぐ終わるから。
美味しいよ。貴方の身体は。・・・・」
「離せ!・・・誰か、誰か助けてくれ」
と、大声で叫んだが誰も居ない
「静かにしなさい!馬鹿な男ね。もう私から逃げられ無いのよ」
と、言って女は私の体をハグして来た。
普通は、恋人同士の抱擁の場面であるが、私の身体は猛烈な熱さに
耐えきれない。
意識を失っていく私が見えた。
どれ位の時が経ったのだろうか?
私はあの公園の上を彷徨っている。
誰かに伝えたいのだが、誰にも伝える事が出来ない。
私は死んでいるのであろうか?!
だが、私は誰に殺されたのか?も解らない。
あの女は一体誰なんだ?
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