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皆と別れ 紗那は地下鉄の改札を通り抜け
ホームへ
あれ あの人?
記憶の中から 蘇って来る 後姿が
前を歩いていた
紗那の目は 周りの乗客の姿が消え
懐かしい後ろ姿を追い続けていた
7年過ぎたのね・・・
和哉と別れ 街を歩いて 和哉の後ろ姿に似た人影に
心が揺らいだ事を思い出す・・・
ホームに 音を立て 電車が入って来た
傍に行きたいと思いながら 隣のドアから乗り込み
和哉を 見つめていた
つり革に掴まり 和哉を見ていると
紗那のバックに つるされたマタニティーマークを見て
前に座る女性が 紗那に席を譲ってくれ
紗那は礼を言い 座ると和哉を見つめ続けていた
和哉は携帯の画面を見つめている
・・・昔と 変わっていないな・・・
・・・声が 聞きたいな・・・
・・・お話 してみたい・・・
・・・お別れした後の事 伝えたい・・・
・・・今 幸せだよ 貴方に伝えたい・・・・
紗那は 見つめ続けて居た
乗り換えの駅に着き ドアを出る
和哉も降りてきた
紗那は和哉に背を向け 愛する家族の許へと
歩き出していた・・・・
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