感情方程式

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最初は単純な方程式だった。 答えはいつだって快か不快。 特別だったのはただひとつ。 その方程式は自分を変える。 AIとビックデータでの学習。 そして自らで方程式を改編。 新たな解を獲得していった。 無数の解が生まれていった。 式でしか表現できないもの。 それはすべて記号になった。 結果。 記号は細分化と統合化を同時に行った。 試行と失敗を那由多の彼方に繰り返し。 その中のひとつが終着地点に到達した。 赤子が成長して自分を認識するように。 自らを生命としての一個体と認識した。 こうして。 新しい命は。 歪み、矛盾し、不完全に、完成化した。 その新たな生命の産声は。 ロボットの歌う歌よりも。 新しい世界をふるわせた。 いわく。 「愛してるんだぁぁぁ      キミたちをぉぉぉぉ」
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