8人が本棚に入れています
本棚に追加
小学四年生の冬になった頃、少しずつ光は孤立していった。この頃になると光はだいぶ自我を持ち始め、自分を偽り、装うことに嫌悪感を示し始めた。
刺激を求めている。
そんなことかもしれない。
*刺激*がどういうものなのかはわからない。
光にとって正樹は架空の人物のようになり、やがて意識の中から消えていった。
ただ、いないはずの誰かを追っている。
ドッペルゲンガーでもいるのか
それとも夢の中の人か。
そんなファンタジーのようなものでしか例えられなくなる。
少しずつ、本当に少しずつ、光(仮面を被った)は呼吸を浅くしていき、小学五年生になると息を吐くことをやめた。
最初のコメントを投稿しよう!