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小学六年生になっても光はあまりクラスに馴染めなかった。
友達は何人かいる、でも自分のことは語らず、ただ静かに見守る程度の関係だった。
光さんはとにかく個性的。
よく先生に言われる言葉だ。確かにここまで自分を貫き通す小学生もなかなかいないだろう。でも光は個性的というよりはあまりにも他の人たちと離れすぎている言わば少数派の人間だ。
少数派は三つの種類で分けることが出来る。
凶悪人、落ちこぼれ、天才
少数派というのは多数派から見放された人も分類される。
多数派というだけで嫌悪感を抱き、あえて少数派になるものもいる。
自分の考えを最後まで埋めずに貫く人もいる。
だが成功者は必ず少数派というルールがある。
多数派のトップは必ず少数者だ。だが少数派は辛い。少数派は人をひきつける時もあるが、なかなか理解者が現れないのが現実だ。
それは光もこの頃になると気がついていた。
多数派になりたいとはあまり思わなかったが、できれば彼らのように幸せになりたいなんて事も頭を過る。
でもすでに光(仮面を被った)は死んでいて、これも過去の話となる。
光はただ待ち続けるしかなかった。自分を理解してくれる人を。
小学六年生の夏が始まりかけている五月、よく、とある男が光に話しかけてくるようになった。
「よぉ光なに描いてんの?」
倉島大翔だった。席替えでちょうど後ろになった人だ。
「山だよ」
私に何の用だよ、てくらいな頻度で大翔は話しかけてきた。
「へえ」
大翔はかなりの長話をしそうだったので光はトイレに行くふりをして席を離れた。
私のこと好きなんだろうな。
光にはそれくらいのことはわかっていた。
でもだからどうとも考えられなかった。
けれど、自分を好きに思ってくれてるとしたら本当に嬉しい。光(仮面を被った)がいなくなった今、自分をハッキリと認めてくれる人は本当にかけがえのない存在だった。
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