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「よおおお!おはよう」
こういう人はあまり自分に合うとは思えない。思えないほどにも自分とは違う。でも彼のいいところも目につくようになってきた。
人をまとめ上げられるとこ。
とにかく頼れること。
全部私にはないもの、羨ましい・・・そんな言葉だとどうしてもこの思いにヒットしない、
どうやったら表わせるんだろう、ただ大翔は嫌いではない、とはいっても自分をそうも簡単にだせない。
「ねえ!放課後会おうよ」
グイグイ大翔は光に迫った。なにか陰謀でもあるのか?でも、もちろんそんなことを意地でも信じる気にはならない。
それに大翔はもちろんクラスでも人気があった、私みたいなどうしようもない奴だけじゃなくて、他の人にも同じような態度なのかもしれない。
でも自分に興味を持ってくれてるとしたらそれは受け入れるべきなのか?
「いいよ」
これは光の思い切った言葉だった。
そして光は光(仮面を被っていない)の姿に気づくことになる。
放課後、二人は学校の近くの公園で会うことになった。公園は川沿いにあり、非常に広大な面積を有すが、過疎化により人の姿はなかった。
光は約束の時間より十分ほど早く着いた。光が学校の人と外で待ち合わせしたのは初めてだった。そのため少し焦りの気持ちもあった。
緊張している。
もうそれでよかった、そうだ。心の声に絶対はない。でも緊張の言葉で全ては収まる。
こんな時に人生の転機なんてものを想像してみた。もし大翔が私のことを認めてくれたら、いずれアトリエには二人で行こう。そのまま調子が良ければ大翔の世界にも出向こう。
「光早いね」
スーツ姿!?なんて思ったがそれは光の空想の余韻だった。
大翔は胸のところにドイツの詩人ツェザール・フライシュレンさんの「ALWAYS KEAP SUN IN MY HEART」と付けた黒い半そでに、短パン姿で現れた。
「いやさっききたとこだよ」
光は定番の嘘をつく。本当は十分も待った。
「それで何するの」
光は何かに期待しつつも大翔に尋ねた。
大翔は自分の顎をかきむしながら
「少し歩かない?」
と、光の目を見て静かに言った。
もうこの時には気づいていた、大翔は私のことが好き。見たことないけどそ
んなような目をしていた。生物学的本能と言えばそうなのかもしれない。
光と大翔はまだ空が明るい夕方の街を歩くことにした。
沼田町は交通の便も悪く、さらに過疎化も進んでいるため、街にはいつも人気がなかった。聞こえてくるのはヒグラシとカラスの鳴き声。しかし大翔が口を開ければ彼らの声はすぐに雑音になった。
「あの」
大翔は微妙な言葉使いで会話を始めようとしていた。
「俺と・・・」
自然の雑音はまた声となった。
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