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プロローグ
あいつが死んだ
そいつの名前は 天方 創真 あまかた そうま
あいつがいなくなったのは春だった、始まりの季節にあいつの人生は終わった
あいつとは幼い頃からの仲だったあいつの母親から死んだ事を伝えられた時は正直信じられなかった、これからも一緒に居るものだと思っていたから、、
あいつが生きた23年という時間は人の一生を終えるにはとても早過ぎた、、
✳︎✳︎✳︎
「あぁ〜疲れた〜」
残業で疲れた彼は近くにある公園のベンチにもたれて
体を休めていた、辺りは暗くベンチの横の街灯が体を照らしていた、右上に視線を向けると時計の針が11時を指していた。
「もうこんな時間か、」
ベンチから立ち上がり、帰路につく
✳︎✳︎✳︎
残業で何も口にしていない胃袋が悲鳴を上げる、帰路の途中にある道路の向かいのコンビニに視線を向ける
「そういや、何も食ってねぇなコンビニで何か適当に買って帰るか」
向かいに行く為の信号は遅い時間という事もあり車道を通過する自動車は少なかった、信号が青に変わり車が止まった、、一台を除いて
凄まじいブレーキ音が彼の鼓膜に入ってきた、車道から横断歩道をトボトボと渡る彼に一台の車が迫ってきていたのだ。
「え?」
突然の出来事と残業による疲労によって彼の体が動くことは無く、彼はただ迫り来る車が止まる事を願う事しかできなかった。
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彼は恐怖によって閉じた瞼を開けた
「え?」
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