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ゲイボルク
事の始まりは四葉製薬の新薬の治験のバイトに参加したことだった。楽な割にバイト料も高いし、ラッキーくらいの感覚で深くは考えず受けてしまった事を今になって後悔している。
まさかこんな事になろうとは……。
僕の名前は石神亮。二十歳の大学生で、内閣府異能対策課に所属している。――なぜかって。それは、参加した新薬のバイトで怪しげな新薬SR25Rを飲んだ事に他ならない。この怪しげな薬を飲んだせいで僕は異能に目覚め、平凡な日常と大事な友人を失ってしまった。
だから僕は何時になるか解らないが、平凡な日常と大事な友人を取り戻すため、日々戦っている。
「ヴーヴー」
大学で講義を聴いているスマホのバイブが鳴る。僕はそれがどこからなのか、瞬時に悟り教室を出てスマホを繋ぐ。
「はい。石神です」
「授業中に悪いがヴィランが出たので対処願う」
「場所は何処ですか」
「場所は君がいる大学の何処かだ」
「解りました。探してみます」
「健闘を祈る」
僕が学校中を探していると体育館の片隅にヴィランがいるのを確認する。すぐさま戦闘態勢に入り、一撃を入れようとした時だった。僕は気付いしまった。それが、大事な友人の木崎一馬の成れの果てであると。
僕は急ぎ身体加速の力を使い距離を取り話し掛ける。
「一馬――――っ、僕だよ。解る」
「ヴーアァー」
一馬はもう人の言葉が通じない程ヴィラン化していた。
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