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#7.残骸を残したまま
その瞬間、会議室に銃弾の音が響く。一発だけじゃない。マガジンに装填された銃弾を瞬時に連続発射する、絶え間ない銃声。容赦なく銃弾を受ける監視官たちは体内の部品を床に散らす。回路の基盤の破片、ちぎれた配線、破れた保護カバー、視覚レンズ……。
最後の銃弾が発射されたあと、監視官たちはみな破壊され、マシンガンを手にした心菜だけが会議室の様子をうかがっていた。そこにいた監視官たちがみな破壊され尽くしたことをたしかめるように。
「すべて終了です。結果は残念ながら……。緊急的措置として、私が対処しました」
心菜が小型マイクにそう呼びかけると、小型イヤホンから「了解」と短い声が届く。
「けっきょくアンドロイドたちは人間を絶滅させることを企てました。短絡的で暴力的で予想外の結果です」
心菜は小型マイクに向かってそう話しながら、マシンガンを手に会議室をあとにする。アンドロイドたちの残骸を残したまま。
「君も任務ご苦労だったな。あとのアンドロイドたちの処理はこちらに任せろ」
「了解」
心菜は短く答え、会議室を立ち去る。念のためにマシンガンを会議室に隠していて良かったと考えながら。
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