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早乙女さんと買い物をして家に帰ってきた。俺と早乙女さんで買ってきたものを冷蔵庫に入れている間に窪田さんがロボットを捕まえて原因につながりそうな場所を確認してもらう。
愛那の予想が外れていてほしい、そう思っていたけど、保人さんの方に目を向けると小さく頷くのが目に入った。俺はペットボトルを冷蔵庫に全て入れると早乙女さんに向き直った。
「早乙女さん、すみません。今日の血圧のデータがうまく取れていなかったみたいなので、もう一度測ってもらえますか?」
俺の言葉に早乙女さんは大きく首を傾げた。
「そんなはず無いんだけどね。ちゃんと計測したわよ。でも、そういうことなら夜にでも測っておくから」
なんとも歯切れの悪い返しに、悪い予感が確信に変わっていく。
「いえ、せっかくですから今ここで測ってください」
俺の言葉に早乙女さんは黙り込んだまま動こうとしない。すると隣に保人さんがやって来た。
「早乙女さん、ここ、見てください。ここだけ引っ掻いたような傷がたくさんあります。ここには蓋があるんですが、開けるとこのロボットの電源ボタンがあるんです。普通は使わないので簡単には開かなくなっていて、無理やり開けるとこんな風に傷ついてしまいます。……早乙女さん、定期的に電源ボタン押して再起動かけていましたよね」
窪田さんの言葉に早乙女さんは目をそらしたまま唇を噛み締めている。俺も保人さんも早乙女さんが口を開くのをじっと待っていた。
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