隠密機動隊の歴史

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隠密機動隊の歴史

 隠密機動隊の歴史は平安時代まで遡る。 「子鬼に取り憑かれた人間が鬼となり更に人を襲う」  そんな怪異が連日、全国各地で報告された。  覇権を争う各地大名も鬼の脅威に怯え、これを鎮静しようと躍起になった。  とうとう安倍晴明の指揮のもと、全国各地より『神力』に長けた者たちが集められ『陰陽近衛隊』が結成された。  主に都を中心に活躍していたこの組織は時代とともに姿形を変えながら存続していった。  幕府が倒れ私欲渦巻く戦国の世に入るとついに各地武将の手に負えぬほど邪鬼の勢力が強まってしまった。 「鬼の被害は甚大だ。人間同士で争っている場合ではない」  各地武将らは分国法を超えて秘密裏に手を組み、各家は競って神力の使い手を育成した。この受け皿となった『隠密騎馬隊』が後の世の『隠密機動隊』の前身である。  脈々と受け継がれてきた『本家』の居城を戦国の世では織田家がうけついだ。  しかし本家当主は必ずしも織田家血筋の人間ではない。  先代当主が40を超えると各家より数えで5歳までの当主候補が集められ、その中で最も神力の高い者が次期当主として選ばれる。  選ばれた子供は本家に迎えられ、幼いうちから洗脳とも呼べるほどに厳しい当主教育を受ける。  先代当主は60の歳で役目を終え、新たな当主にその役を引き継ぐ。そうして現代まで鬼斬りの血統は繋がってきたのである。
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