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 テストのヤマは外す。アイドルのライブは当たらない。大事なものはいつの間にか紛失するし、トレーディング系グッズは欲しいものだけ当たらないという具合に、やがて俺以外、クラスメイトのほとんどは座敷わらしの話を嘘か冗談だと判断し、気にすることもなくなっていった。  以来、座敷わらしが家にいると自己紹介した件は、時々思い出したようにいじられる程度に治まった。嘘つき呼ばわりやいじめの原因になることもなかったのは、優斗自身が人なつっこい性格だったことがよかったのかもしれない。いつもニコニコしてて、みんなに冗談を言って笑わせる優斗が、悪口を言われているところを、俺は見たこともなかった。  優斗と俺は妙に気が合った。好きな音楽やゲームが被ることも多かったが、なによりお互いのリズムというか、生活のスタンスというか、とにかくそういうものがしっくりきていたんだと思う。知り合って二か月も経たないうちに、優斗と俺は何度も家を行き来するくらい仲良くなっていた。  それから一年。  中学三年、一学期の期末テストを前に、テスト勉強をしに来ていた優斗が、ふと思い出したように言った。 「そうだ陸。夏休み、うちんちに泊まりに来ない? 二週間くらい」 「え、二週間!?」
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