弐拾伍

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 マンガやアニメならここで分かりやすく空が晴れたり、なんかはっきり終わった感じがあるもんだけど、、やっぱり現実なんてそんなもんかと、そう思っていた。  一日に二度も山に登ったからか、さすがに疲れていたらしい。車に乗った直後から優斗は半分目を閉じているような状態で、俺もずいぶん記憶が曖昧になっていた。  誰かのスマホが、三度震えたのをどこかで聞いた気がしたあとのことだ。 「……今日は、僕の家で休もうか。少し狭いだろうけど、二人なら僕のベッドに収まるだろう。僕は寝袋を使うから、遠慮はいらない」  この声に夢見心地でわけも分からず頷いた気がする。  足の踏み場もない本まみれの室内を、寝ぼけたままどうやって歩いたのか、自分でも不思議に思う。だけど実際に、俺と優斗はセミダブルサイズのベッドの上で、片足ずつ落っこちながらしっかり熟睡していた。  車の中に入って以降の記憶があいまいなまま、俺たちは気がつけば賢人さんの家で朝を迎えた。 「……おはようございます」 「ああ。おはよう、陸くん」  大あくびをして起き上がった俺を見た賢人さんは、ひどく疲れた顔をしていた。
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