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「そう。……三科大輔氏を始め、遺体が残っている人は全員、司法解剖に回されたのは聞いているね?」
「はい。俺にも警察から司法解剖の許可がほしいって連絡が来ました。それに関係してるんですか?」
「結論から言おうか」
宮野の目が未だキッチンで動いている友理奈を流し見、改めて優斗を見る。
「稲本陸くんは三科大輔氏と茜さん、二人の子──つまり本来、三科優斗と呼ばれるべき子だったよ」
沈黙が落ちる。
「……え?」
「稲本陸は三科家の子。出生記録にも、三科大輔氏の子どもは男児一名と記載されている。ならば君は一体何者なのか? ……それを知るためにも、DNA鑑定をさせてほしい」
戸惑いに引き攣る優斗に、宮野は正面から願い出る。
その姿を──友理奈がじっと、見つめていた。
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