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Episode01
──私は厄介な体質の持ち主だ
「芳香、おはよう」
「おはよ……ふぁぁ~~」
「随分眠そうね。昨夜はさぞかし愉しんだんでしょう?」
「あ゛~~その話はしないでぇぇぇ~~」
「なによ、訊かせなさいよ。一番の有望株お持ち帰りしたんだから」
「まぁ……一応いただきました、けど」
「やだぁ、やること早過ぎ。で? 付き合うの?」
「付き合わないわよ、あんな男」
「あら、もしかして下手くそだったの?」
「それはまぁまぁだったけどね。でもね……でもねぇぇぇぇ~~」
「もしかして……また、アレ?」
「そう! シャワー浴びた途端! くぅぅぅ~~香水で騙されていただけだった!」
「はぁ……本当に厄介ね、あんたのその体質」
「そんなの私が一番よく解っているわよ!」
そんな会話をしていると開店時間を知らせるチャイムが鳴った。
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