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Episode03
──昨日の出来事は夢……だったのだろうか?
(ううん、夢じゃ、ない)
「くぅぅぅ~~こんな際どい処にキスマークつけてぇ~~」
鏡で首筋から鎖骨を見ると、存在を主張しているような痣が点在していた。
昨夜、実に三年ぶりの再会を果たした想い出の彼──真栄城明登。
強引に誘われ、そのまま流されるように再び肉体関係を結んでしまった。
散々貪り尽くされ『俺の彼女』という称号を擦り付けられ、心も体も彼に染まってしまうことに恐れを抱いた私は引き留める彼を残してホテルを飛び出した。
(そういえばホテルの部屋を出る時に何か言っていたけれど……)
それを把握する余裕がなかった。その時は彼から逃げて混乱する頭を整理したかったのだ。
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