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どうして駿河さんをフッてしまったのかよく解らなかった。
少なくても部屋に行った時点では駿河さんのお誘いを受けるつもりでいた。将来安泰のセレブ妻になれるチャンスはすぐそこにあった。
それなのに体が、心が駿河さんを拒否した。
思ってもみなかった事が発生して一番驚いているのは私かも知れない。
(私……馬鹿、なのかな)
どれだけ考えても行きつく先は決して明るくない未来。
この歳になってただ好きとか愛しているだけで突き進んでいい恋愛かどうかぐらいの判別はつくはずなのに……
(私は間違った選択をしようとしている)
また頭の中でけたたましく警告音が鳴る。
(ダメだって解っているのに……)
もう理性でどうにかしようなんてところはとっくに突破してしまっているのだと思い知らされたのだった──。
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