不運

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不運

あるところに町で一番運が悪いといわれる男がいた。 男の名はアンクといった。 アンクはとにかく不運の持ち主だった。 アンクが路地裏を歩けば植木鉢が落ち、猟に出れば雨が降り、衣服を買えば次の日には虫食いで穴だらけになる。 行列で自分が並んでいる手前で目的の品が品切れになるなど日常茶飯事だ。 アンクの行く先には不運が必ずある。 「このままでは自らの不運で命を奪われてしまうかもしれない」
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