優しい偽薬
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幼い頃、ケガをして泣く私に、母は痛み止めだと偽りラムネ菓子をくれた。 でも、それを飲むと痛みはすぐに消えたものだ。 そんな母も父が出て行ってから変わった。 今では睡眠薬を多用し、一日の大半眠っている。 私は今日も、睡眠薬をラムネとすり替える。 あの時の偽薬が、母の痛みにも効くことを祈って。
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