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小林は悲しんだ様子から平生を取り戻し、その状況を考察した。
「この部屋には鍵がかかっていたんです。それに外から鍵をかけることもできない。先ほどアイリーが『芦沢さんに鍵を開けないように言われた』と言っていましたよね。だから優愛は自分の意志でこの部屋の中に隠れていた訳ですし。もし、自殺でないとしたら、何かの事故か、中にいたアイリーの仕業だということになります」
事故という言葉に教授は反応した。
「事故か。事故なら仕方がない。動揺した芹沢が不運な事故を起こしてしまった。そういう筋書きなら、うん、なんとかなるかもしれない」
自分の責任を最小限に抑えたいという思いが先に立って、事実には二の次という口ぶりだ。
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