Chapter #1

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  「帰ってきたら家の中が荒らされててさ。警察も来たんだよ、ホームステイ初日から! 私は貴重品とパスポートは携帯してたから無事だったけど、化粧ポーチが取られちゃって……」  言われて初めて気づいたが、舞恋はすっぴんだった。  もともと肌が綺麗なのでそこまで気にならないが、当の彼女からすれば大問題なのだろう。 「せっかくイケメン留学生たちと出会えるチャンスなのに、こんなんじゃ誰も捕まえられないよ~~!!」  悲嘆に暮れ、頭を抱える舞恋。  一番悩むところがそれでいいのか。 「しかもさ~……私のホストファミリーはフィリピーナみたいで、ネイティブな英語じゃないんだよね。ちょっと訛ってるし。おまけに私の他にも留学生がホームステイしてるんだよ。コロンビア人の女の子。その子も訛っててさ。私はもちろんジャパニーズ・イングリッシュだし……。うちの家、誰一人としてちゃんとした英語が喋れないんだよ。こんなんで一ヶ月以上も生活して大丈夫なのかな?」  どうやら彼女の家の様子は、私の所とは全く雰囲気が違うらしい。  もしかして、レベッカの家って相当なアタリだったのでは……?  ホストファミリーガチャSSR?  
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