Chapter #1

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   結局、最悪なメンタルで臨んだ面接は悲惨なものだった。  別室に呼ばれ、ハキハキとした気の強そうな白人女性の面接官と対面で座り、 「So, ×××× ×××××?」  さっそく一発目の質問から聞き取れない。 「……ぱーどぅん?」  まず質問の内容を理解しないことには話が進まないので、私はすかさず魔法のフレーズを口にした。  しかし、 「Oh! OK, OK. ××× ××××!」  面接官の女性は私の反応を見るなり何かを察したようで、いいのよ大丈夫よ、とどこか諦めた様子で手元のタブレットを操作した。  おそらくは私の個人情報が記録されているそこに、手早くチェックを入れていく。  それでおしまい。  もう行っていいよ、と促され、私は退室した。  え、面接ってこれで終わり?  私、ぱーどぅん、としか答えてないんだけど。  いつ採点したの?  これ、普通に考えて0点では??  
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