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クロエの笑顔を見て、レオも満面の笑みで触れられた手を包む。
「うん!僕もクロエを守るからね!」
「いや、私が守る。レオは私が守るから」
「えー!僕も強くなってクロエを守りたいよ……」
瞳を潤ませるレオに、クロエの心臓が射抜かれる。
「ッ………………!」
「クロエ!?」
胸を押さえて蹲るクロエに、レオは慌てて回復魔法をかけた。
「『キュア!』『キュア!!』『キュア~~~!!』ど、どうしよう……クロエが治らないよぉ!」
その様子を見て、リアムが溜息をついてクロエの背中を叩いた。
「おら、クロエ。いつまでそうしてんだよ。レオが心配してるだろうが」
「ッ…………。う、うん」
クロエはなんとか起き上がり……レオに向かって微笑んだ。
「もう大丈夫。レオのお陰で治ったから」
「ほ、ほんとに!?良かったぁ」
「うん。ほら、レオも一緒に行こう。そろそろ夕食会の時間だ。早く食堂に行かないと、席が無くなっちゃうよ」
「あ、うん!そうだね!」
レオは笑顔で頷き、クロエの隣を歩き始めた。リアムは、その2人を少し後ろから眺める。
「……なんでだよ。俺の方がお前を守ってやれるだろ」
その呟きは、誰にも届かず、ただ消えていった。
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