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「そうですか?」 「そ、そうだ!ないったらないんだ!!」 「はぁ……すみませんでした」  少女は手を離すと、不服そうな顔で謝る。 「変なことを口走ってたから、熱があるのかと思って……」 「っ……変なこと!?俺の夢を変なことだって言うのか?」 「ええ。だって、大陸一の騎士になるのは──」  少女が何かを言いかけた時、銃声が鳴り響いた。 「っ…………!なんだ!?隣国の密入国者か!?」  リアムが後ろを振り返ると、そこには拳銃を持った黒いローブ姿の人間が立っていた。 「え…………。お、お前、は……?」 「お前たち、貴族の出だな。身代金が稼げそうだ」  ローブの男はクスクスと笑いながら2人に近寄ると、拳銃を向けた。 「大人しく俺と来い。可愛がってやるよ」 「っ…………!」  その不気味さに、その恐ろしさに、リアムの体が動かなくなってしまう。  この子を守るために来たのに、なんてザマだ…………。情けなさの余り、リアムの目から涙が出てくる。  このまま、誘拐されてしまうのか。怖い、怖い……リアムが、そう思っていたその時。 「借りる」  少女がリアムの腰から剣を抜き取った。
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