カカシは笑う

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帰りの会が終わり、バタバタと教室を出て行く人がいる。のんびりと教科書をカバンに詰めている人もいて、私は後者だ。帰宅部だし、急ぐ理由がない。 「ナギハ、また案山子?」 「うん。キシマのおばさん家の田んぼ、今日案山子を置くんだって。見に行ってくる」 「あんたが言う『案山子初め』ってやつね」 「そうそう。カナコ分かってるじゃん」 一緒に来る? と聞くと苦笑された。カナコはいつもそうだ。 「あたしは部活だから。それに、案山子の良さはあたしには分からないよ」 「そっか」 カナコは、私が案山子が好きなことは理解してくれているが、案山子の良さは理解してくれない。別にいいんだけどね。これは私の趣味のようなものだから。 こうして、私は今日も一人で帰る。 寂しくないと言ったら、嘘にはなるけど。
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