カカシは笑う

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田んぼの中にある、案山子(カカシ)が好きだった。ずっと、鳥たちから稲を守る案山子が。 私はいつも、学校の帰り道に寄り道をして案山子を見ていた。和服っぽくなっていたり、帽子を被っていたり。案山子によって、個性があるのが面白かったのだ。 先生にいくら面白さを話しても、眉をひそめて「田んぼの周りは日が沈むと真っ暗になるんだから、寄り道しないで帰りなさい」と言われるだけだった。 みんな、あの面白さを分からないなんて損してる。
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