五流小説家の運命

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 ―――決めた。②だ。  私はプロットのノートを広げ、パソコンに明日公開分の内容を表示させる。  麗は『恋をした事がない』から『恋をするのが怖い』へ変更する。  2度目の恋と推理でひどい失恋をしたエピソードを追加しよう。  慎重に、時に大胆に麗と『麗』、ふたりの運命の歯車を噛み合わせていく。  まるで最初から結びつくことが決まっていたかのように、上手くまとまっていく。  全くの別人だった二人を同一人物にすることで、麗という人物像が深くなり、よりリアリティーを帯びた。  結局修正を加えながらの更新となってしまったが、2か月間、毎日更新を落とすことなく無事に最終話を投稿することが出来た。  終わってみれば、当初の作品より良いものに仕上がったと思う。  しかし、こんな胃の痛い思いはもう二度とごめんだ。 「さて…。『五流』脱出のために、いっちょ作りますか」  私はパソコンで表計算ソフトを起動し、過去に投稿した作品の一覧と登場人物名の洗い出しを始めた。  200作品全てを確認した結果、メインキャラクターと脇役など、名字だけの登場人物を含めて8人ほど名前が被っていることが判明した。  当然、名前が被っている彼らは全て別人の設定だ。 「思いついた名前を適当に付けていたからなぁ」  誰もその事に気がつかないよう、ただ祈るばかりだ……。 (おしまい。皆さんはどのように対策されているのでしょうか~)
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